建具工とサッシ工は、どちらも建物に必要な扉や窓を扱う職人ですが、具体的な仕事内容や必要な技術には違いがあります。
建具工は、主に 木製やスチール製のドアやふすま、間仕切り などを扱い、建具を 製作・取り付け・調整 する職人です。一方、サッシ工は アルミや樹脂製の窓枠やドアの取り付け を行う仕事で、金属加工の技術が求められます。
どちらも建築業界で欠かせない仕事ですが、施工方法や扱う材料が異なるため、求められる技術や経験も変わってきます。これから詳しく、建具工とサッシ工の違いについて見ていきましょう。
建具工の仕事内容と特徴
建具工の仕事は、住宅やオフィス、店舗などで使われる ドア、引き戸、ふすま、間仕切り などを 製作・設置・調整 することが中心です。建具は、木製のものだけでなく、スチール製やガラス入りのものもあり、使用する材料に応じた技術が必要になります。
① 建具の製作
木製建具は、木材をカットし、組み立て、塗装を施して完成させます。伝統的な和室のふすまや障子から、現代的なデザインの扉まで、さまざまな建具を手がけます。
② 建具の取り付け
新築やリフォームの現場で、製作した建具を取り付けます。ミリ単位の精度が求められるため、現場での微調整が必要です。特に、木は湿度によって伸縮するため、慎重に施工しなければなりません。
③ 建具の修理・調整
古くなった建具の修理や、歪みの調整も重要な仕事です。長年使用すると、建具が歪んだり、動きが悪くなったりすることがあります。その際、部品を交換したり、削って調整したりすることで、快適に使えるようにします。
建具工は 細かい手作業 を得意とし、木の特性を理解しながら、一つひとつの仕事を丁寧に仕上げる職人です。
サッシ工の仕事内容と特徴
サッシ工は、主に アルミや樹脂製の窓枠やドアの取り付け を行う職人です。建築現場では、サッシ工が窓枠を設置し、その後ガラスをはめ込む作業を担当します。サッシは建物の外壁に取り付けるため、耐久性や防水性が求められます。
① サッシの取り付け作業
住宅やビルなどの新築工事では、設計図に基づいてサッシを取り付けます。窓枠のサイズや形状に合わせて固定し、歪みや隙間がないように調整することが重要です。
② ガラスのはめ込み
サッシが設置された後、窓ガラスをはめ込みます。強化ガラスや複層ガラスなど、用途によって種類が異なるため、慎重に作業を行います。ガラスは割れやすいため、持ち運びや取り付けには細心の注意が必要です。
③ 修理・交換作業
古いサッシの交換や、破損したガラスの修理もサッシ工の仕事です。窓の開閉がスムーズにできるように、戸車やゴムパッキンの交換、サッシ枠のゆがみ調整なども行います。
サッシ工は 金属加工や防水処理の技術 を活かして、窓まわりの施工を担当する専門職です。特に、 気密性や断熱性を確保するための知識 も求められます。
建具工とサッシ工の違いとは？
建具工とサッシ工は、どちらも建物の扉や窓を扱う職人ですが、施工内容や扱う素材、必要な技術に違いがあります。
① 施工内容の違い
建具工は 木製のドア、ふすま、間仕切り などの 製作・取り付け・調整 を行います。住宅やオフィスの内装部分に関わることが多く、精密な加工技術が求められます。一方、サッシ工は アルミや樹脂製の窓枠やドアの取り付け が主な仕事で、建物の外装部分を担当します。
② 使用する素材の違い
建具工は、木材やスチールを扱うことが多く、木材の特性を理解し、調整する技術が必要です。サッシ工は、アルミや樹脂製のサッシを扱い、金属加工や防水処理の技術が求められます。
③ 必要な資格やスキルの違い
建具工には 「建具製作技能士」 や 「木工技能士」 などの資格があり、木材加工や組み立ての技術を証明できます。サッシ工には 「サッシ施工技能士」 や 「ガラス施工技能士」 などがあり、耐久性や気密性を確保する技術が求められます。
施工範囲や扱う素材、技術の違いはありますが、どちらの職人も建物の完成に欠かせない存在です。それぞれの特徴を理解し、自分に合った仕事を選ぶことが大切です。
どちらの仕事が自分に向いている？適性チェック
建具工とサッシ工、どちらの仕事を選ぶかは、自分の適性を考えることが大切です。それぞれの仕事の特性を理解し、自分に合った職種を選びましょう。
① 手作業や細かい作業が好きな人は建具工向き
建具工は、木材をミリ単位で調整し、ぴったりと組み上げる精密な作業が多くなります。そのため、手先が器用で細かい作業が好きな人に向いています。また、オーダーメイドの建具を製作することもあるため、ものづくりが好きな人にはぴったりの仕事です。
② 体を動かすのが好きな人はサッシ工向き
サッシ工の仕事は、現場での取り付け作業が多く、大きな窓枠やガラスを運んで設置することが主な仕事になります。そのため、屋外作業が多く、体を動かすのが好きな人に向いています。また、高所作業が発生することもあるため、高い場所での作業に抵抗がない人が適しています。
③ どちらの仕事もチームワークが大切
建具工もサッシ工も、一人で作業をすることは少なく、職人同士の連携が必要になります。そのため、周囲と協力しながら作業を進められる人が向いています。特にサッシ工は、重いサッシやガラスを運ぶことがあるため、チームワークが重要になります。
どちらの仕事も、それぞれの魅力ややりがいがあります。自分の性格や得意なことを考えて、適した仕事を選びましょう。
まとめ
建具工とサッシ工は、どちらも建物に欠かせない職人ですが、仕事内容や必要な技術、使用する素材に違いがあります。建具工は木製の建具を扱い、細かい加工や調整が得意な人に向いています。一方、サッシ工はアルミや樹脂の窓枠を取り付ける仕事が多く、体を動かすことが好きな人に向いています。
どちらの仕事も、職人としての技術が求められ、経験を積むことでキャリアアップが可能です。また、建具工はオーダーメイドの建具製作に挑戦でき、サッシ工は高所作業や大規模な施工に関わるチャンスもあります。
自分の適性を考え、興味のある分野に挑戦することで、長く続けられる仕事を選ぶことができます。建築の世界で腕を磨き、一流の職人を目指しましょう。
